子どもたちの「なぜ?」から始まる学び 〜家庭で広がる探究学習〜
- 公開日
- 2025/06/15
- 更新日
- 2025/06/15
学校の様子
子どもたちの「なぜ?」から始まる学び 〜家庭で広がる探究学習〜
本校では、3〜6年生を中心に、家庭学習の時間に「自主学習」に取り組んでいます。
自主学習とは、自分でテーマや方法を決めて学ぶ学習のこと。復習やドリルといった習熟的な学習も大切ですが、近年特に注目されているのが「探究学習」です。
探究学習とは、子どもたち自身の「なぜ?」「どうして?」という問いから始まり、調べ、考え、自分なりにまとめていく学びのスタイルです。
自分の興味や疑問からスタートするこの学習は、主体的に学ぶ力、情報を見極める力、そして他者に伝える力など、これからの社会で求められるさまざまな力を育ててくれます。
たとえば、ある児童が取り組んだテーマは――
「地域でエスカレーターの乗る位置がちがうのはなぜ?」
関東では左側に立ち、関西では右側に立つ。その違いにふと疑問を抱いたことから、この学習が始まりました。
調べていくと、東京では交通ルールや通勤ラッシュの影響で「左立ち」が定着し、大阪では1970年の万博をきっかけに「右立ち」が広まったという説があることを知りました。
さらに名古屋では「どちらでもない」といった地域ごとの違いにも注目し、最後には「他の県ではどうなっているの?」と、学びをさらに広げていきました。
このノートには、問いを立て、情報を集め、自分なりに考え、振り返るという探究のプロセスがしっかりと表現されています。
このように、日常の中の素朴な疑問が、立派な学びの入り口になります。大人から見ればささいなことかもしれませんが、子どもたちにとっては、自らの興味関心と学びがつながる貴重な経験です。
探究学習には「正解」がありません。だからこそ、子どもたちの発想や表現は一人ひとり異なり、それぞれの個性が光ります。
日常のちょっとした疑問が、豊かな学びへとつながることもあります。
ご家庭でも「それって面白いね」「どうしてそう思ったの?」と声をかけていただくだけで、お子さんの探究心は大きくふくらみます。
これからの社会で必要とされる「自ら考え、学び続ける力」を育む探究学習。
学校と家庭が一緒になって、子どもたちの「学びたい気持ち」をあたたかく支えていけたらと思います。