3月13日(金)第66回 卒業式 3
- 公開日
- 2026/03/13
- 更新日
- 2026/03/13
学校生活の様子
「学校長式辞」
暖かな春の日差しが感じられる季節となりました。巣立ちの日を迎えた卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の立派に成長された晴れ姿をご覧になられ、さぞお喜びのことと存じます。小中学校9年間の義務教育の中では、新型コロナウイルス感染症の蔓延などにより、学校生活に大きく制限がかかる時期もありましたが、現在では、通常の生活に戻ることができました。そして、本日、無事に卒業式を開会できましたのも保護者の皆様のご理解・ご支援のおかけでございます。高いところからではございますが、心より感謝申し上げます。
また、枚方市教育委員会 教育指導課 課長 沓脱様を始め、ご来賓の皆様におかれましては、日頃より第三中学校を暖かく見守っていただき、誠にありがとうございます。これまで頂戴致しましたご厚情に重ねて感謝申し上げます。
さて、改めまして、202名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
皆さんは、何事にも積極的に楽しく取り組む姿を見せてくれました。日々の生活の中から楽しさを見つけ出し、学級活動や学年活動、体育祭、文化祭、修学旅行などの行事にもはつらつとした姿を見せてくれました。いろんな活動の中にも皆さんが中心となって進める生徒主導の活動の場面も多く見られました。また、皆さんは後輩に対しても優しく、ていねいに接してくれました。 先生方との深い絆も感じられました。時には叱られることもありましたが、先生方と皆さんが本気で向き合い、太いパイプでつながっていることが実感できました。いろんな苦難を乗り越えた3年間は、皆さんの一生の宝物になるはずです。
さて、私は、一昨年4月に第三中学校に着任し、皆さんとの付き合いは、2年間になりますが、以前、この第三中学校で、3度、3年生の担任として、皆さんの先輩方を送り出してきました。今は、立場は変わりましたが、今日、改めて皆さんの卒業式を迎えることができ、感慨深い気持ちでいっぱいです。
今、このように皆さんのはつらつとした姿を見ていると、過去に担任をした多くの生徒のことが頭に浮かんできます。
その中で、一つの出来事を紹介したいと思います。
私が第三中学校で3回目の3年生の担任をする前の、2年生の担任をしていた時の出来事です。そのクラスでは、いろんな悩みをもって、2学期の終わりころから、学校に登校することができなくなった男子生徒がいました。
私は、定期的に家庭訪問などをして、彼と一緒の時間を過ごしました。学校に登校するように促すのではなく、一緒に学習に取り組んだり、リビングのテーブルで卓球をしたり、たわいのない話などをして、「じゃあ、また、来るから」と言って、家を後にすることを何度も繰り返していました。
また、クラスの生徒一人ひとりからのメッセージが書かれた文面なども定期的に渡していました。そこには、登校を促すものはなく、学校生活の様子や自分の思いなどがつづられていました。
そのようなことを繰り返していく中、彼の口から「学校に行ってみようかな」という発言が聞かれるようになってきました。その後、彼は3年生になって、通常の学校生活に戻り、新しいクラスで充実した日々を過ごして、卒業していきました。
あとから、保護者の方から、お聞きしましたが、彼は、周りからの温かいサポートと自分に向き合う時間がもてたことで、自分なりに生き方を考えることができたようでした。
このように長い人生の中には、何度か立ち止まって、自分の生き方などを考える時期もあるかと思います。
人の一生には、順調に進んでいると思う時もあれば、苦しい時もあり、幸せだと思っていた毎日が急に変わってしまったり、苦しい毎日の中から、一筋の光が見えてきたり、いつどんなことが起きるかわかりません。
しかし、楽しいことや苦しいことなども含めて、自分が経験したことは、すべて自分の財産になります。
今、自分の前に起きていることに対して、「なるようになる」と真摯に受け止めて、その中に少しでも楽しさを見つける習慣を身につけてほしいと思います。
幕末の志士、高杉晋作が「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり」という句を残しています。
「世の中をおもしろいと感じたり、つまらないと感じるかどうかは自分の気持ち次第だ」ということでしょうか。
自分の気持ちの持ち方を前向きにしたり、小さな気づきを見逃さないことなどで、皆さんのこれからの人生を少しでも充実したものにできるのではないでしょうか。
さて、話は変わりますが、今、WBCの野球が行われ、侍ジャパンでは、メジャーリーグの大谷選手や鈴木選手なども参加し、盛り上がりを見せていますが、その中にエンゼルスの菊池雄星投手も参加しています。菊池投手は、日本のプロ野球で活躍したあと、メジャーリーグに挑戦し、今では、毎年、安定した成績を収めていますが、当初は、自分の思うような成績を収めることができない時期があったようです。菊池投手にとってもメジャーリーグで活躍することは、自分の夢ですが、菊池投手は、自分の楽しいこと、目的とすることを達成するには、嫌なことや苦しいことも乗り越えていかなければならないと言っています。苦しいことの先に目的とすることの達成があり、苦しいことも当たり前のこととして、習慣にしてしまうことが大切だとも言っています。
学習、スポーツ、趣味など、目標にするものに対して、その日の気分にかかわらず、毎日、短時間でも取り組む習慣をつけることで、知らない間に自分を高めることになるかと思います。
また、AIなどの急激な発展で、疑問に思ったことなども、すぐに答えを得ることができる時代になりましたが、AIに依存することなく、自分で考えることも大切にして、いろんなことに対して、自分なりの考えをもってほしいと思います。さらに人とのコミュニケーションを通して結論を導きだすことも大切にしてほしいと思います。
皆さんは、これから先、いろんな人と出会うことになるかと思います。人との出会いで新しい発見があったり、苦しい時の人との出会いがピンチをチャンスに変えるきっかけになることがあるかもしれません。また、本やスポーツ、音楽、芸術などからも人生を変えるきっかけに出会うことがあります。でも出会いのチャンスがあってもそれに気づかないと、チャンスを逃してしまうことになります。日頃から、いろんなことに興味を持ち、アンテナを張りめぐらせることで、成長のチャンスをつかむことができるのではないでしょうか。
出会った縁を大切にして、勝って驕らず、負けて腐らず、ピンチの時は、自分が大きく成長できる時と思い、チャンスの時は、その状況に満足せず、さらに努力を重ねるなど、前向きな気持ちを忘れず、取り組んでほしいと思います。必ず、良いことが起きると信じて生きてほしいと思います。
さあ、いよいよ卒業です。
今年、第三中学校は創立66年目になります。
これから先、いろんなことがあった時、第三中学校で過ごした時のことを思い出して、人生の励みにしてほしいと思います。そして、22世紀に向けて、自分を磨き、一日一日を積み上げて、人生の真の幸せをつかんでください。
卒業生の皆さんの前途が輝かしい希望に満ち、充実した日々を送られんことを願い、式辞といたします。
令和8年3月13日 枚方市立第三中学校 校長 森 隆裕