学校日記

3月14日(金)卒業式 4

公開日
2025/03/14
更新日
2025/03/14

学校生活の様子

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 学校長式辞

 暖かな春の日差しが感じられる季節となりました。巣立ちの日を迎えた卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の立派に成長された晴れ姿をご覧になられ、さぞお喜びのことと存じます。小中学校9年間の義務教育の中では、新型コロナウイルス感染症の蔓延などにより、学校生活に大きく制限がかかる時期もありましたが、現在では、通常の生活に戻ることができました。そして、本日、無事に卒業式を開会できましたのも保護者の皆様のご理解・ご支援のおかけでございます。高いところからではございますが、心より感謝申し上げます。

 また、ご来賓の皆様におかれましては、日頃より第三中学校を暖かく見守っていただき、誠にありがとうございます。これまで頂戴致しましたご厚情に重ねて感謝申し上げます。

 さて、改めまして、211名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。

 私は、昨年4月に第三中学校に着任し、皆さんとの付き合いは、1年間ですが、以前、この第三中学校で、3度、3年生の担任として、皆さんの先輩方を送り出してきました。今は、立場は変わりましたが、今日、改めて皆さんの卒業式を迎えることができ、感慨深い気持ちでいっぱいです。

 皆さんは、何事にも積極的に楽しく取り組む姿を見せてくれました。日々の生活の中から楽しさを見つけ出し、学級活動や学年行事、体育祭、文化祭、修学旅行などの行事にもはつらつとした姿を見せてくれました。3年生の教室前の廊下を歩いていても、教室の中から、楽しそうな笑い声が聞こえてきたことが多くありました。また、後輩に対しても優しく、ていねいに接してくれました。 先生方との深い絆も感じられました。時には叱られることもありましたが、先生方と皆さんが本気で向き合い、太いパイプでつながっていることが実感できました。いろんな苦難を乗り越えた3年間は、皆さんの一生の宝物になるはずです。

 宝物といえば、学生時代の友は一生の友とも言われますが、第三中学校で交流を深めた友人たちとの関係も大切にしてほしいと思います。

 今から11年前のことですが、私が第三中学校で2回目の3年生の担任をした時の学年で同窓会をするので、来てほしいと連絡が入りました。その学年の生徒は、第三中学校を卒業して、約15年が経っていたと思います。

 私は、懐かしい気持ちで当日、会場に足を運びました。そこには、約210名の卒業生のうち、100名近くが集まっていました。中には、その日のために、九州や東北などから来たという人もいました。卒業生の皆さんは、懐かしい気持ちで本当に楽しそうに交友を深めていました。15年の年月が一気にタイムスリップをして、中学校時代に戻ったようでした。

 卒業生を見ていると、昔の面影のある人や、まったく別人のように変わっている人もいて、月日の流れを感じました。

 その中で一人の女子の卒業生と話をしていると、その人は、今、簡易裁判所の書記官をしていることがわかりました。書記官の仕事を一定期間続けていると判事の資格が取れ、実際に判決を下す立場になるとのことです。今は、判事になることを目標に頑張っていると聞きました。中学校時代にとてもおとなしい印象のあったその人が大きな夢に向かって努力していることに頼もしさを感じました。それとともに、義務教育が終了した後の人生には、いろんな選択肢や可能性があることも実感しました。

 しかし、その人もここまで来るまで、決して順調な日々ばかりではなかったと思います。

 長い人生には、山あり、谷あり、いろんなことが待ち受けています。

 順調に進んでいると思う時もあれば、苦しい時もあり、幸せだと思っていた毎日が急に変わってしまったり、苦しい毎日の中から、一筋の光が見えてきたり、人の一生は、いつどんなことが起きるかわかりません。人生とは浮き沈みの連続です。時として、もう無理だと、自暴自棄になって、落ち込むこともあるかと思います。

 幕末の志士、高杉晋作が「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり」という句を残しています。「世の中をおもしろいと感じたり、つまらないと感じるかどうかは自分の気持ち次第だ」ということでしょうか。

 自分の気持ちの持ち方を前向きにしたり、小さなきづきを見逃さないことなどで、皆さんのこれからの人生も少しでも充実したものにできるのではないでしょうか。

 例えば、「日々の生活の中に楽しさを見つける」ことはどうでしょうか。                             学習や仕事などに興味が持てない時でも、その中に、これならできるという楽しさを見つけて、小さな努力を続けて達成感をもったり、自分の小さな進歩を自分で誉めることなどで、苦しい時でもねばり強く取り組む気持ちが生まれてくると思います。

 また、「いろんな出会いを大切にする」こともあります。                                皆さんは、これから先、いろんな人と出会うことになると思います。人との出会いで新しい発見があったり、苦しい時の人との出会いがピンチをチャンスに変えるきっかけになることがあるかもしれません。また、本やスポーツ、音楽、芸術などからも人生を変えるきっかけに出会うことがあります。でも出会いのチャンスがあってもそれに気づかないと、チャンスを逃してしまうことになります。日頃から、いろんなことに興味を持ち、アンテナを張りめぐらせることで、成長のチャンスをつかむことができるのではないでしょうか。

 出会った縁を大切にして、勝って驕らず、負けて腐らず、ピンチの時は、自分が大きく成長できる時と思い、チャンスの時は、その状況に満足せず、さらに努力を重ねるなど、前向きな気持ちを忘れず、取り組んでほしいと思います。必ず、良いことが起きると信じて生きてほしいと思います。

 さあ、いよいよ卒業です。

 今年、第三中学校は創立65年目になりますが、35年後の創立100周年を迎える時には、皆さんはちょうど50歳になっています。

 第三中学校の100周年を50歳の節目の時期に心から祝えるように自分を磨き、一日一日を積み上げて、人生の真の幸せをつかんでください。

 卒業生の皆さんの前途が輝かしい希望に満ち、充実した日々を送られんことを願い、式辞といたします。