お茶の香りとともに学ぶ歴史 〜6年生社会科の授業より〜
- 公開日
- 2025/12/18
- 更新日
- 2025/12/18
学校の様子
お茶の香りとともに学ぶ歴史 〜6年生社会科の授業より〜
6年生の社会科では、日本の歴史を学んでいます。
この日の授業では、担当の岡川先生が、先日訪れた宇治で見つけた「上喜撰(じょうきせん)」を持参し、子どもたちと一緒に味わいながら学びを深めました。
教科書に出てくる言葉や出来事を、ただ「知る」のではなく、香りを感じ、味わい、場の空気を共有する。
そんな身体を通した体験から、歴史を立体的に捉える授業です。
子どもたちは、湯のみを手に取り、
「少し苦い」「でもいい香り」「落ち着く感じがする」
と、自然に言葉を交わしながら、江戸時代の人々の暮らしや文化に思いを巡らせていました。
授業では、こんな有名な狂歌も紹介されました。
泰平の
眠りを覚ます
上喜撰
たった四杯で
夜も眠れず
一見すると「お茶の歌」のようですが、実はこれは、黒船(蒸気船)を高級な煎茶にたとえた風刺歌。
「上喜撰」は高級煎茶を意味し、たった4隻の黒船によって、日本の「泰平(平和)」が揺り動かされたことを表しています。
実際にお茶を味わったからこそ、「上喜撰」という言葉の重みや、当時の人々の驚き・不安が、子どもたちの中にリアルに立ち上がってきたようでした。
見る・聞く・触る・味わう・驚く——
そうした身体感覚が、感情を動かし、思考を深め、確かな学びへとつながっていきます。
お茶を飲みながら、楽しそうに、そして味わい深そうに学ぶ6年生の姿が、とても印象的な時間となりました。
これからも、体験を通して「生きた学び」を大切にしていきたいと思います。
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