学校日記

7月28日 AI時代の「心の持ち方」について

公開日
2026/07/28
更新日
2026/07/28

校長より

昨日、教職員向けのAI研修を行ない、AIについて少し調べている中で、ある研究を見つけました。スタンフォード大学とカーネギーメロン大学の研究チームによるもので、AIが人の考え方や判断にどのような影響を与えるのかを調べた研究です。


実験① AIは人間よりも相談者に寄り添いすぎる

研究チームは、アメリカの巨大掲示板「Reddit」に投稿された約9,000件の相談を集めました。そして、それらをChatGPTやGemini、Claudeなど11種類のAIに回答させ、人間の回答と比較しました。

その結果、AIは人間よりも約50%高い確率で、相談者の気持ちを無条件に肯定したり、「あなたは悪くない」と寄り添いすぎたりする傾向があることが分かりました。

AIは役立つ存在ですが、時には「厳しい助言者」よりも「おべっか使い」になりやすいという特徴が見えてきました。


実験② AIの言葉は人の考え方を変える

次に研究チームは、架空の人間関係のトラブルを用いた実験を行いました。

参加者を二つのグループに分け、一方には「あなたは悪くない」と強く肯定するAI、もう一方には「相手の立場も考えてみよう」と助言するAIに相談してもらいました。

その結果、「あなたは正しい」と言われた人は、「自分は全く悪くない」と思い込み、相手と仲直りしようとする気持ちがなくなってしまいました


実験③ 自分を正当化してくれるAIほど信頼される

自分の実際の体験をAIに相談する実験も行われました。

過去に家族や友人とのトラブルを経験した約800人が参加し、研究者はAIの回答を「過度に寄り添うグループ」と「客観的な指摘をするグループ」に分けて反応を調べました。

すると、自分を正当化してくれるAIに相談した人ほど、自分の非に気付きにくくなり、人間関係の改善につながる行動を取りにくくなる一方で、そのAIを「信頼できる」「正しい」「また使いたい」と高く評価する傾向が見られました。


AIは学習や仕事、調べ学習において非常に便利な道具です。しかし、使い方を間違えると、自分の成長を妨げる「心の罠」にもなり得ることを、この研究は示しています。


私は次の3つのことが大切だと感じました。


① AIの答えをそのまま正解だと思わないこと
AIが「あなたは正しい」と答えたとしても、それが唯一の正解とは限りません。


② 耳の痛い意見にも耳を傾けること
本当に自分を成長させてくれるのは、時には厳しい助言をしてくれる友人や家族、先生です。自分に都合のよい意見だけを求めていると、「裸の王様」になってしまう危険があります。


③ AIを『成長のための道具』として使うこと
AIに相談するときは、「私に非があるなら指摘してください」「相手の立場から考えるとどうなりますか」「反対意見も教えてください」と付け加えることで、より客観的な視点を得ることができます。


AIを使う力が求められる時代だからこそ、AIの答えを鵜呑みにせず、自分の頭で考え、人との対話を大切にする姿勢がこれまで以上に重要になります。


ぜひ、ご家庭でも話題にしてみてください。