学校だより9月号~「能力承認」よりも「存在承認」を~
- 公開日
- 2025/08/24
- 更新日
- 2025/08/24
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【学校だより9月号】
~「能力承認」よりも「存在承認」を~
お子さまの成長を願う気持ちは、どの保護者の方にも共通のものです。
「もっと勉強ができるようになってほしい」
「運動会で頑張ってほしい」
そう願うからこそ、お子さまが何かを成し遂げたとき、「よくできたね!」と心から褒めてあげたくなります。それは、お子さまの頑張りを認める素敵な愛情表現です。
しかし、そこで少しだけ立ち止まって考えてみませんか?
もし、褒める機会が「何かを成し遂げたときだけ」になってしまったら、お子さまはもしかしたら「できない自分には価値がないのかな」と感じてしまうかもしれません。
教育哲学者の苫野一徳さんは、「人は、無条件に存在を認められてこそ、自分らしく自由に生きられる」と言います。結果や能力に関係なく、「あなたがここにいてくれることがうれしい」「そのままで大切だよ」という思いを日々伝えることが、子どもの心を育む上でとても重要です。これを「存在承認」と呼びます。
たとえば、こんなひとことを意識してみませんか?
● 朝、「おはよう!今日も顔が見られてうれしいな。」
● 帰宅時、「おかえり!待ってたよ!」
● 寝る前、「今日も一日いてくれてありがとう。」
このような何気ないひとことが、子どもの心に「自分はここにいていいんだ」という温かい安心感を残します。この安心感があると、子どもは失敗を恐れず挑戦できます。そして、その挑戦の積み重ねが、やがて確かな力を育てていくのです。
~かけがえのない「あなた」であること~
子どもは、桜梅桃李の花のようなものです。
春には桜が一斉に咲き誇り、冬の寒さの中で梅は静かに香りを放ちます。桃はやわらかな色で人の心を和ませ、李はやがて甘い実を結びます。
どの花も、咲く時期も、姿かたちも、香りも、すべて違います。けれども、そこに咲いているだけで世界を彩り、見る人の心を温めてくれます。
子どもたちも同じです。それぞれの季節に、それぞれの花を咲かせます。
私たちは、その花が咲くのを急がせず、比べず、ただ「咲いてくれてありがとう」と、ありのままの存在を温かく見守っていきたいと考えています。
お子さまが、ありのままの自分でいられるよう、ぜひ日々の生活の中で、たくさんの「存在承認」を伝えてみてください。
~保護者・地域の方対象 子育てセミナー開催~
1学期末にお知らせしました通り、保護者・地域の皆様を対象とした「子育てセミナー」を開催いたします。
心理学を応用した子どもへの関わり方や、ベネッセの最新データに基づいた子育て実践など、日々の子育てに役立つヒントが得られる内容です。
また、このセミナーは、保護者・地域・学校が共に手を取り合い、子どもたちの育ちを支えていくきっかけとなることを願って実施いたします。
9月12日の授業参観後のお忙しい時間とは存じますが、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※保護者の方は申込み不要です。