第45回卒業証書授与式
- 公開日
- 2024/03/16
- 更新日
- 2024/03/16
校長先生のお話
< font size="4">卒業の歌「群青」予行練習バージョン
https://drive.google.com/file/d/13JmQpzQR6UjPngFxQyBwzNpXq6BOjoSG/view?usp=drivesdk
< font size="4">卒業の歌「群青」卒業式当日
https://drive.google.com/file/d/1HQUblBjBYjJ2lB8_zyKaSCiyhw6-Vrru/view?usp=drivesdk
< font size="4">式辞
ただいま 卒業証書をお渡しした、157名の皆さん 卒業おめでとうございます。
本日のこの式を祝うためにご多用中にも関わらず、駆けつけてくださったご来賓の方々に深く感謝申し上げます。
また、保護者の皆様 本日は お子様のご卒業 誠におめでとうございます。この日を迎えるまでに本校の教育活動にご理解、ご協力を賜りましたこと、この場をお借りして感謝申し上げます。
昨年度までは、卒業証書はコロナ禍対策として、各クラスの代表生徒のみに渡してまいりましたが、今年度は一人ひとりに卒業証書を渡しました。
高校では、多くの学校で、一部の生徒が代表として、卒業証書を受け取る形となっています。大学の学位記も一人ひとりが受け取ることはありません。ですから、今回、もし、代表だけが受け取る形式にすると、学校長からほとんどの人が直接卒業証書を受け取る機会がなくなってしまいます。だから、その意味が今は分からなくても、今回一人ひとりに卒業証書を手渡ししたいという思いが私にはありました。この思いを冒頭でみなさんと共有したいと思います。
本年は正月より、能登半島地震から始まり、心の痛むことが重なるスタートとなりました。お亡くなりになられた方々に対しましては、ご冥福を祈ると共に、被災された方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
さて、本日は、2つのことを皆さんと一緒に考えたいと思います。その2つとは、皆さんがこれから歌う、卒業の歌「群青」、そして、皆さんそれぞれに掲げてほしい「夢」についてです。まずは、1つ目、「群青」についてです。
この歌は東日本大震災をきっかけに福島県南相馬市立小高(おだか)中学校平成24年の卒業生たちと小田美樹先生によってつくられました。被災当時まだ、中学1年生だったこの学年の生徒106名は、この震災とそれに伴う津波の影響で、福島原子力発電所の建屋が大爆発を起こし、被災しました。津波の犠牲で2名の尊い命も奪われ、97人の仲間たちは北海道から、九州まで散り散りに避難しなければなりませんでした。結果、残ったのは、わずか7名となりました。2年生になったその生徒たちは大きな日本地図に仲間の顔を張り付けながら「遠いね」「でもこの地図の上の空はつながっているね。」など子どもたちの思いをつぶやいていたそうです。そんなつぶやきを小田先生は大切につむぎ、曲をつけ、できあがったのがこの「群青」だそうです。また、歌のタイトル「群青」にも注目すべき点があります。この中学校の文化祭は、「群青祭」というそうです。この「群青」ということばは、元小高中生の心をもつなぎとめている大切なことばという事も強く伝わってくるのではないでしょうか。
この歌はよく悲しい歌と捉えられている方が多くいると思います。でも、決してそうではありません。むしろ復興に向かっていく力強い歌だと私は思います。なぜなら、歌詞の最後を、「また会おう、群青の町で」となっているからです。頑張って立ち上がり復興した町で再び、別れた仲間と会いたいという思いが私には想像できます。
まだ立ち入りの制限がある場所があることを思えば、決して過ぎ去った過去ではありません。時が止まってしまっているとさえ感じる町がまだ存在するのです。ふるさとで再び会いたいと願う力強い想いが伝わりませんか。
この歌には、そんな歴史と背景があるということを知って、今日の旅立ちの日に自分のできうる限り、精一杯、歌い上げるからこそ、聞いている人に伝わり、感動を与えることを思えば、意義深いものがあると思います。きっと、能登のみなさんにも「こころは共にある」という私たちの気持ちは、届いていくものと信じます。もう一つは、「夢」について皆さんと考えたいと思います。
「夢」というのは持たなければ叶いません。
さきほど話にもでた、東日本大震災では三陸鉄道も立ち直れないほどの惨状となりましたが、震災から1年後に三陸鉄道を支える人たちによって、実際には乗れませんが、「復興未来行き」という切符を発売しました。そこに書かれた有効期限は「あきらめない限り有効」となっています。まさに皆さんの「夢」もこの切符と同じく「あきらめない限り有効」なのだと思います。その夢や、将来に、保護者の皆さまや多くの方が期待することもあるでしょう。そして、時にはそれがプレッシャーとなり、押しつぶされそうなこともあると思います。そんなときには「ひと休み」しても構わないと思います。でも、みなさんが「夢」をあきらめない限り、その「夢」に、「自分自身」、に期待しても良いのです。そして、その「夢」に向かって無我夢中になって追い求めていく時、人の期待など、気にもならなくなると思います。
当然まだ、「夢」や「目標」がない人もいるかもしれません。そのときは、今、目の前にあることを全力で取り組んでください。そうすれば、「夢」ができたとき、今までやってきた努力が自分の可能性を広げてくれると思います。
さあ、皆さんいよいよ卒業です 皆さん一人ひとりの輝かしい未来と幸せを 心よりお祈りし 式辞とします。
令和六年三月十三日
枚方市立長尾中学校 校長 葉山 秀樹