4月30日国語科「メモをとりながら話を聞こう」~神宮司学校運営アドバイザー招聘による授業改善~
- 公開日
- 2025/05/01
- 更新日
- 2025/05/01
3年生
国語科では、「メモをとりながら話を聞こう」という授業が行われました。
今回は、神宮司学校運営アドバイザーを招聘し、授業改善に向けた取り組みとして実施しました。授業では、子どもたちが相手の話をしっかりと聴き、必要な情報をメモしながら理解を深めることを目指しました。
神宮司アドバイザーによる示唆
神宮司アドバイザーからは、効果的な学びを促すための重要な視点が提示されました。それは、
- 学びの成立: 教材との対話、仲間との対話、そして自己との対話(内省)の3つが揃うことで、深い学びが生まれること。特に、自分の考えが仲間の意見や教科書の記述によって変化する過程を意識させ、考える力を育てることが重要であること。
- 座席配置の重要性: 子どもたちの学び合いを促進するためには、固定的なペア学習やグループ学習に捉われず、授業の目的に応じた柔軟な座席配置を検討する必要があること。孤立している子どもを作らない工夫や、学びの隙間をなくす視点が大切であること。
- 教師の役割: 教師は一方的に教えるのではなく、子どもたちの発言を注意深く聴き、それを他の子どもたちの学びへと繋げる 촉매剤(しょくばいざい)のような役割を担うこと。評価は教師が行うのではなく、子ども自身が学びを通して自己変容を自覚することが重要であること。
- 聴き合う関係の育成: 仲間同士で教え合い、学び合う関係を築くことの重要性。「依存すれば自立する」という視点から、まずは安心して仲間に頼れる関係を作り、そこから自立的な学びへと繋げていくこと。教える側も、相手が納得するまで丁寧に説明する経験を通して、より深い理解を得られること。
授業の様子
この日の授業では、「メモをとりながら話を聞く」という技能を習得するために、教材の音声内容を子どもたちがメモしていく活動を取り入れました。
授業中、先生は子どもたちに「大切なことは何かな?」「後で振り返ってわかるように、短い言葉でメモしてみよう」と促しました。子どもたちは、先生の話に真剣に耳を傾け、キーワードや大切な情報を思い思いにメモしていました。
座席配置への配慮
座席は固定されたペアではなく、子どもたちが互いに教え合いやすいように、必要に応じて声をかけやすい配置にする。
神宮司アドバイザーからの「まず誰か(先生ではなく、友だち)に依存することから自立が始まる」という示唆をいただきました。
子どもたちの主体的な学びと対話
子どもたちは、最初はお互いに遠慮しながらも、先生の温かい声かけに励まされ、少しずつ隣の友達に質問したり、自分のメモの内容を説明したりする姿が見られました。特に、これまで発言が少なかったり、学習に苦手意識を持っていたりする子どもたちが、積極的に周りの友達に頼る様子は印象的でした。
環境づくりと教師の役割
教室の机は整然と並べられ、落ち着いた学習環境を作ることが大切。これは、「秩序感のある環境が、子どもたちの主体的な学びを支える」という考えに基づいたものです。
先生は、子どもたちの発言を一つひとつ丁寧に聴き、「〇〇さんはそう考えたんだね。△△さんはどう思いますか?」と繋いだり、「教科書の〇〇ページにも同じことが書いてあるね」と教材との対話を促したりしていました。
先生自身が評価を下すのではなく、子どもたちがそれぞれの考えを共有し、教材と照らし合わせることで、学びを深めていくことが大切です。
まとめ
今回の授業は、神宮司学校運営アドバイザーの助言を受け、子どもたちの主体的な学びと対話的な学びを促すための様々な助言をいただきました。特に、座席配置の柔軟性や、子どもたちが安心して仲間に頼れる関係づくり、そして教師が ファシリテーターとしての役割を意識することで、子どもたちは積極的に学びに向かい、深い理解へと繋げていくことが期待されます。今後も、このような取り組みを通して、子どもたちの「聴く力」と「学び合う力」を育んでいくことが重要であると再認識させられる授業となりました。
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