学校日記

国語科:「NHK for School」の活用と対話で紡ぐ観察記録の改善

公開日
2026/06/01
更新日
2026/06/01

2年生

~デジタルとアナログを融合させ、生活科の夏野菜観察を言葉にするアプローチ~

国語科『かんさつしたことを書こう』 

校内研究テーマ: 『一人ひとりの良さを伸ばし、自己決定できる教育の推進 ~目の前にいる子どもたちを授業でどう育てるか~』 


単元の狙いと番組活用の意図:国語科と生活科の連動

本単元は、児童が生活科で栽培している夏野菜の成長を友達や家族に伝えるため、より分かりやすい「観察記録」を作成することを目標としています 

児童は、観察時に「でっかい」「なんか違う」といった感覚的な口語を多用しがちで、具体的な差や特徴の記述(色・形・大きさ・匂い・感触・音といった観察の視点)が不足するという課題を抱えていました。そこで先生は、NHK for Schoolの小学校1・2年生向け国語番組『えるえる』を導入しました 。

言葉を選び、相手に伝えるポイントをわかりやすく紹介する番組の力を借りることで、児童自らが表現を工夫するきっかけ(自己決定)を掴む教材設計がなされています 

 本時の授業実践:反対の言葉で「ちがい」を可視化する

本時では、「よりよく伝えるために、観察したことを言葉にするポイントを考える」を目標に掲げ、授業が展開されました 

① 映像の「一斉視聴」からポイントの発見

児童は、モニターに映し出された『えるえる』第3回「どうちがうの?」を一斉視聴しました 。番組内のやり取りを通じて、「違いを説明するためには、反対の言葉を意識することが大切である」という気づきを得ました。

② 正規の表現(対概念)と言語化の訓練

カルタ活動などを交えながら、身近な具体例を用いて言葉を紡ぐ練習が行われました。

  • サンドイッチの具が 「多い/少ない」

  • 木の幹が 「太い/細い」

  • 靴下のサイズが 「大きい/小さい」

  • ナスやトマト、葉のサイズや野菜の長さが 「長い/短い」

これらの対比軸を意識させることで、「数が少なかったのに、大きくなっていた」という元の文章に対し、「どのくらい少なくて、どのくらい大きいのか」を具体的に付け加えるテクニックへと繋げていきました。

児童が主体的に関わり合う「場の設定」とアドバイス

授業の後半では、教室内で児童同士が協力して取り組めるよう、ペアワークの場が設定されました 

児童たちは、トランプのマークが配置されたグループ席へ移動し、互いの観察記録(プリント)を見せ合いました。

「ここをもっと分かりやすくするには、こんな言葉を入れたらどう?」 「葉っぱの形や色も書いてみようよ!」

このように、他者の文章に対して質問をしたりアドバイスを送り合ったりしながら、自分のワークシート(用紙右側)に「色・形・大きさ」や「反対の言葉」を熱心に書き加え、文章をリライト(改善)していきました。

また、欠席者や未提出の児童に対しては、今回は写真貼付による暫定提出や、書き込みのみのステップを認め、「次回に質を高めれば大丈夫」という段階的な指導方針を提示。提出物のばらつきを許容しながら、全員が自信を持って次の学習へ進めるよう配慮されています。

児童の振り返りと今後の展望

授業の締めくくりとして、児童は用紙の裏左側に振り返り(感想)を記述しました。「アドバイスをもらって分かりやすい文が作れた」「難しかったけれど、反対の言葉を使ったらうまく書けた」など、学習の見通しと手応えを感じている姿が見られました。

次時に向けたステップ

本単元はここで終わりではありません。続く第3時では、生活科での栽培中に児童から湧き上がった「葉や根、日光や水」に関する疑問を解決するため、理科の動画クリップの個別視聴が計画されています 

デジタル教材(NHK for School)の強みを活かした本実践は、事後検討会で挙げられた課題(テンプレートの整備や後追い指導の具体化)をブラッシュアップし、来たる全国大会に向けて、枚方市立西牧野小学校が発信する「主体的に伝える力を育む授業モデル」の確かな一歩となりました。