2年生の「おもちゃランド」に見る心の力:非認知能力は”意識して身につける”もの
- 公開日
- 2025/09/26
- 更新日
- 2025/09/26
2年生
小学校2年生が生活科の学習で開いた「おもちゃランド」。
この活動で見られた子どもたちの姿は、単に「楽しかった」で終わるものではありませんでした。
担当教諭が作成したポスターには、「心の力」として注目されている非認知能力の本質が凝縮されており、そのメッセージが深く心に響きます。
流行りではない「非認知能力」
ポスターに記された「非認知能力は流行りではなく、意識して身につける力」という言葉は、私たち大人が非認知能力をどう捉えるべきかを示唆しています。テストの点数では測れない、工夫する力、他者と協働する力(応援する力)、説明する力といった非認知能力は、近年その重要性が叫ばれていますが、ただ見守るだけで自然に育つものではありません。
おもちゃランドで輝いた「心の力」
2年生の子どもたちが、1年生を楽しませるために開催した「おもちゃランド」の準備と運営の様子は、まさに非認知能力を「意識して身につける」実践の場となりました。
目標達成への情熱と工夫: 楽しい企画を考え、準備を進める中で、思うようにいかないこともあったはずです。しかし、「1年生に喜んでもらいたい」という目標に向かい、どうすれば上手くいくかをチームで粘り強く考え、遊びのルールや景品を工夫する姿が見られました。これは、「やり抜く力」と「問題解決能力」の表れです。
他者との協働: 役割分担や意見の対立を乗り越え、互いの得意なことを活かしながら一つのものを作り上げていきました。相手の気持ちを察して協力し合う「共感性」や「協調性」が、遊びを通して自然と磨かれていったのです。
責任感と自己肯定感: 準備から当日の運営、そして後片付けまでをやり遂げた達成感は、「私は役に立てた」「自分にもできる」という自己有用感や自己肯定感を育みました。
教師の「意識的な関わり」が鍵
担当教諭は、この活動を単なる「行事」として終わらせず、子どもたちの内面的な成長に焦点を当てたポスターを作成することで、非認知能力の重要性を再認識させました。
教員が意識的に、結果ではなくプロセスを認め、「頑張ったね」「諦めずに工夫したことがすごい」と具体的な言葉でフィードバックすることで、子どもたちは自分の「心の力」に気づき、それを次へ活かすことができます。
非認知能力は、学習活動や遊びという実体験の積み重ねの中で、大人からの適切な働きかけによって、確かに伸びていく力なのです。