🍚 命を育む枚方市の給食運営と「もったいない」を減らす工夫:第一調理場の取り組み
- 公開日
- 2025/12/11
- 更新日
- 2025/12/11
6年生
本日も樟葉小学校の栄養教諭である角先生をお招きし、『食育』の授業をしていただきました。
📍 枚方市の給食を支える「第一調理場」の舞台裏
稼働10年を迎える枚方市第一調理場は、小・中学校の給食を同一施設で担当しています。現在は市内19校約4,200人の中学校給食を担うなど、1日最大で約3,400人分もの大量調理に対応しています。
🏭 大規模調理のスケールと工程
大規模設備: 調理場は小学校と中学校でエリアが分かれ、献立に応じて別室で調理されます。直径150cm、容量350Lの蒸気がまが10基(大型8基)あり、1基で1,000人分以上の調理が可能です。
食材の量: 1日あたり800〜900kgの食材が八百屋・肉屋から納品されます。
衛生と下処理: 下処理は朝6時から開始され、10〜15名体制で行われます。芋や根菜は機械と包丁で丁寧に皮むきされ、葉物は根を落として1枚ずつばらして2〜3回以上水洗いされます。
品質管理: 出来上がった料理は必ず中心温度を計測し、内部までしっかりと加熱されていることを確認してから盛り付け、配送されます。
🥗 栄養と食文化を重視した献立づくり
調理場の基本方針は、成長期の児童生徒の栄養を最優先することです。さらに、食育の観点から、多様な食文化に触れる工夫が凝らされています。
食文化の導入: 地産地消、旬の食材、冬至や正月などの行事食に加え、世界の料理が取り入れられています。
郷土料理: 毎年10月には枚方市の郷土料理(例:だこ豆、から寿司、くるみ飯など)を提供しています。
1月「給食週間」: 2026年1月のテーマは「郷土料理を味わおう」で、青森のせんべい汁、宮崎のチキン南蛮など、全国の郷土料理が予定されています。
🚨 喫緊の課題:食べ残し(食品ロス)の現状と削減への挑戦
講演では、調理場に戻された食缶の残食量が計測・記録されている現状が共有されました。食べ残しは法的に翌日転用も持ち帰りもできないため、全てが生ごみとして廃棄され、大きな問題となっています。
📊 残食データから見えた傾向
残食が少ない料理: 肉料理(ハンバーグ、唐揚げ)、麺類(担々麺など)、カレー、揚げ物(れんこん唐揚げなど)。
残食が多い料理: 野菜や豆類を多用した料理(筑前煮、冬野菜鍋、きんぴらなど)。
同じ食材でも調理法によって残食量は大きく変動します。例えば、れんこんは「きんぴら」だと増えますが、「唐揚げ」にするとほとんど残らないというデータが示されました。
💡 児童との「共創アイデア」:時間帯別ロス削減術
この食品ロスを減らすため、子どもたちと共創した具体的なアイデアが、準備・食事中・後片付けの3つの時間帯に分けて紹介されました。
調理場の職員にとって最大の励みは子どもたちの「おいしい」という声です。苦手な食材にも一口挑戦し、多様な味を知るという食育の意義が改めて強調されました。
この講演は、給食が単なる食事提供ではなく、栄養、食文化、環境問題といった多岐にわたる学びの場であることを再認識させていただきました。
本日はありがとうございました。