学校日記

第2回学校経営者研修 〜教職員と子どもたちのウェルビーイングを実現し、未来を拓く学校経営〜

公開日
2026/07/22
更新日
2026/07/22

研修

7月21日、「学校経営者研修」が開催されました

本研修は「子どもの権利」と「ウェルビーイング」の2つの視点から学校経営を見つめ直し、各校における実効性の高い実践プラン構築を目指す取り組みの一環です

【午前の部】講演「子ども一人ひとりの権利を基盤とした学校経営」

  • 講師: 公益財団法人日本ユニセフ協会 学校事業部 アドバイザー 池田 礼子 氏

午前のセッションでは、ユニセフの活動基盤である「子どもの権利」の本質と、教育現場での適用について講演が行われました

1. 子どもの権利の本質と4つの基本原則

「権利を認めるとわがままになる」といった現場の懸念に対し、権利は無条件に保障されるものであり、義務と引き換えにするものではないことが確認されました。 特に、子どもの権利条約における「①差別の禁止」「②生命・生存・発達の権利」「③子どもの意見の尊重」「④子どもにとっての最善の利益」という4つの基本原則の重要性が提示されました

2. 日本の子どもが抱える課題とCREの導入

ユニセフの調査によると、日本の子どもは身体的健康が世界1位である一方、精神的幸福度は38カ国中32位と低迷している現状が示されました。 これらを背景に、欧州等で実績のある「子どもの権利を大切にする教育(CRE)」の紹介や、学校生活の中で児童・生徒が意見を表明できる環境づくりの必要性が共有されました

【午後の部】講演「教職員と子どものウェルビーイングを実現する組織づくりの推進」

  • 講師: 武蔵野大学 ウェルビーイング学部 浦谷 裕樹 准教授

午後のセッションでは、幸福度(ウェルビーイング)が人の能力や組織の活性化にどのような影響を与えるかについて、科学的知見に基づいた講演が展開されました

1. 幸福度とパフォーマンスの関係

「人が幸せを感じるだけで記憶力や学習効率などの能力が1.5倍向上する」という研究成果が紹介され、教職員と子どものウェルビーイング向上を図ることが、学力やパフォーマンスの向上に直結することが示されました

2. 幸福を構成する「4つの因子」と組織づくり

ウェルビーイングを可視化・改善するための指標として、以下の幸福の4つの因子を用いた自己評価ワークシート等での実践が紹介されました

  • やってみよう(自己実現・成長)

  • ありがとう(感謝・つながり)

  • なんとかなる(楽観・回復力)

  • ありのままに(自己受容・自分らしさ)

管理職や組織においては、良好な人間関係を支える「心理的安全性」の確保と、教職員自身の「自己決定権」を尊重する姿勢が、持続可能な学校経営の基盤になると強調されました

協議・実践交流「すべての子どもの未来をひらく学校経営」

講演を踏まえた協議・意見交換では、各学校における「子ども主体」の取り組みや組織運営上のリアルな課題・工夫が共有されました

  • 「子ども主体」と教員の伴走バランス 生徒の要望やプロジェクト立ち上げに対し、教員が介入しすぎず、かつ見捨てずに「スモールステップでの成功体験」を積ませる支援のあり方が議論をしました

  • 意見表明の場づくりと合意形成 単なる多数決に頼らないルール形成プロセスや、保護者・地域との連携(コミュニティ・スクールや大人子ども会議の活用)を通じた開かれた学校づくりのアイデアを共有しました

  • 管理職の支援スタンスと同僚性の醸成 教職員が失敗を恐れず挑戦できるよう、管理職が肯定的なフィードバックを行い、校内のコミュニケーションや互いを称え合う文化を高めていく重要性が再確認しました

今後に向けて

今回の研修で得た学びや課題意識をもとに、「子どもの権利」と「ウェルビーイング」の視点を盛り込んだ学校経営計画のブラッシュアップを進めていきます