5月30日 大仏の量から測定を振り返る:小学6年生の研究授業
- 公開日
- 2025/06/01
- 更新日
- 2025/06/01
6年生
6月17日の遠足と関連して行われた小学6年生の研究授業では、大仏の大きさや重さという具体的な題材を通して、測定の概念を深く掘り下げました。
子どもたちは、自分の体や身近なものを基準にしながら、長さ、体積、重さといった様々な「量」について学びを深めました。
1. 遠足と大仏の学習活動
6月17日の遠足に向けた導入として、大仏の学習活動が行われました。遠足で実際に大仏を見ることを意識し、その大きさや手の長さに興味を持つきっかけとなりました。
1.1 6月17日の遠足について
遠足の日が6月17日であることが確認され、大仏を見たことがあるかどうかの質問を通じて、子どもたちの事前の関心を引き出しました。
1.2 大仏の大きさ・手の長さの学習
大仏の土台が3mであるという情報から、子どもたちは自分の手(約30cm)を基準に大仏の手の長さを推測しました。5個分、10個分、100個分など様々な推測が飛び交い、最終的に大仏の手の長さが2.56mであることが明かされました。この活動を通して、身近なものと比較して対象の大きさを想像するという測定の基礎を学びました。ただし、正確な測定方法や比較基準が曖昧だったため、推測にばらつきが見られた点が課題として挙げられました。
1.3 誕生日のお祝い
学習活動の合間には、5月31日生まれの子の誕生日のお祝いが行われ、和やかな雰囲気の中で授業が進められました。
2. 量(長さ・体積・重さ)の学習
続いて、長さ、体積、重さの概念とその測定方法について具体的な数値や身近な例を用いて学習を進めました。
2.1 長さの測定と比較
自分の手の長さを基準に、大仏の手の長さが何倍になるかを割り算で計算する活動が行われました。256cmを15cm、16cm、17cm、19cmなどの手の長さで割る計算を通じて、比の考え方や割り算の重要性を確認しました。
2.2 体積・面積・重さの違いと測定方法
面積が広さ、体積が三次元の大きさ、重さが質量であることを確認しました。また、昔の測量法(手の大きさや尺・寸など)と現代のメートル法についても触れ、測定方法の歴史的な変化も学びました。
2.3 重さの比較とクイズ作成
奈良の大仏の重さが250トンであることを知り、この巨大な重さを身近なもの(牛乳パックやガチャポンカプセル)で表す活動に取り組みました。牛乳パック(200g)で表すと12万5千個、ガチャポンカプセル(10g)で表すと312万個分という計算例が出され、子どもたちは具体的なイメージで重さを捉える経験をしました。さらに、ChatGPTを活用したクイズ例も紹介され、身近な物の重さを基準に250トンを表すオリジナルクイズを作成する課題が出されました。
3. 単位・計算・数量に関する学習活動
重さや長さ、体積などの単位変換や計算問題に挑戦し、クイズや課題を通じて理解を深めました。
3.1 重さ・単位変換の計算課題
250トンやジャンボジェット機400トンといった具体的な重さを用いて、単位変換(t→kg→g)や割り算の計算問題に取り組みました。セミの重さ3gを基準に250トンが何グラムになるかを計算する活動では、ゼロの数え方や単位の揃え方に混乱が見られ、今後の追加指導が必要であることが確認されました。
3.2 クイズ・発表活動
子どもたちが作成したクイズを発表し合いました。「250tはシャープペンの芯の何個分か?」といったユニークな問題が出され、具体的な計算結果が示されました。この活動は、学習内容をアウトプットする良い機会となりましたが、一部の生徒には計算根拠や単位の違いについて理解が不十分な様子も見られ、全体での確認が求められました。
3.3 単位の種類・表記の違いの確認
リットル、ミリリットル、センチリットル(CC)、キロリットルといった様々な単位について確認し、海外と日本での表記の違いも写真を用いて学習しました。十進法で単位が10倍ずつ変化する原理を理解することで、単位変換の基礎を固めました。しかし、普段使わない単位や表記の違いに戸惑う生徒もおり、写真や実物を使った追加説明の必要性が示唆されました。
3.4 振り返り・提出・今後の予定
タブレットを使った振り返りカードの提出が行われ、本日の学習内容が確認されました。大仏の重さが225トンであるという補足情報も共有され、学びの定着を図りました。振り返りの提出や配布物の受け取りに一部混乱が見られたこと、また一部の子どもたちが単位や計算の理解に不安を残していることから、全員の理解度を確認し、必要に応じて追加指導を行うことが今後の課題となりました。
この研究授業では、大仏という壮大なテーマを軸に、測定の基礎となる様々な「量」の概念、単位、そして計算方法を、子どもたちの身近な経験と結びつけながら学ぶことができました。特に、自分の手や身近なものを基準に考える活動、そして巨大な数を具体的にイメージするクイズ作成は、子どもたちの主体的な学びを引き出す上で非常に効果的でした。
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