小数のかけ算テスト返却 ~間違い分析から学ぶ「次に活かす」力~
- 公開日
- 2025/06/04
- 更新日
- 2025/06/04
5年生
算数の授業では、先日実施された「小数のかけ算」のテストが返却されました。
子どもたちは、自分の点数と、赤ペンで示された間違い箇所を食い入るように見つめていました。単に点数を見るだけでなく、間違いと真剣に向き合い、次へと繋げるための貴重な時間となりました。
「今回のテストは、皆さんが小数のかけ算についてどれだけ理解できたかを知るためのものです。点数ももちろん大切ですが、もっと大切なのは、なぜ間違えたのかをしっかりと考え、次にどう活かすかです。」
担任の先生は、テスト用紙を配り終えると、そう切り出しました。そして、「間違いは成長のチャンスです。今日は、自分がなぜその問題を間違えたのかを具体的に分析し、次回の学習に活かすための時間を取ります」と続けました。子どもたちの表情は、真剣そのものです。
間違い分析に挑む子どもたち
先生の指示に従い、子どもたちは各自、間違えた問題の分析を始めました。
ある子は、筆算の位取りを間違えていたことに気づきました。「あっ、小数点から右に何桁か、数え間違えてた!だから、最後の小数点をつける位置がずれてたんだ…」と、声に出して自分の間違いをアウトプットしていました。
また別の子は、かけ算の計算ミスをしていました。「8かける7を54って書いちゃってた。本当は56なのに。九九の確認が甘かったな。」と、基礎的な計算力を見直す必要性を感じたようです。
中には、「問題文をしっかり読んでいなかったから、何を求められているのか勘違いしていた」と、読解力の重要性に気づいた子もいました。小数点の移動や、繰り上がり・繰り下がりのミス、0のつけ忘れなど、様々な間違いの原因がそれぞれの用紙に書き出されていきました。
「なぜ間違えたのか」を明確に
子どもたちは、ただ「間違えた」と認識するだけでなく、「なぜ間違えたのか」という根本原因を探ることに集中していました。
- 計算ミスの場合は?
- 「九九を間違えた」
- 「筆算の途中で繰り上がりを忘れた」
- 「位を間違えた」
- 小数点の位置の場合は?
- 「かける数とかけられる数の小数点の桁数を数え間違えた」
- 「最後に小数点を打つ位置を間違えた」
- 問題の読み間違いの場合は?
- 「問題文の指示を読み飛ばした」
- 「求められているものが何かを理解していなかった」
このように、それぞれの間違いに対して具体的な原因を突き止め、それを言葉やメモで「アウトプット」する作業は、理解を深める上で非常に効果的です。
次へと繋げる学び
授業の終わりに、先生は再び子どもたちに語りかけました。「今日、皆さんが自分の間違いをしっかりと分析し、その原因を突き止めたことは素晴らしいことです。次に同じような問題が出た時、今回の経験を活かして、もっと注意深く、正確に計算できるようになるはずです。」
子どもたちの顔には、テストの点数に対する一喜一憂だけでなく、自らの間違いから学び、次へと活かそうとする前向きな姿勢が見られました。
算数の学習は、単に問題を解くだけでなく、間違いと向き合い、それを乗り越える過程そのものが学びです。