9月10日 教職員のセルフマネジメント
- 公開日
- 2025/09/12
- 更新日
- 2025/09/12
研修
本日臨床心理士・枚方市教職員メンタルヘルス相談員の町田奈穂さんを講師に招聘し、『教職員のセルフマネジメント〜心・身体・脳のセルフケアを学ぼう〜』をテーマに研修をしていただきました。また、保健師の安永さんにもきていただきました。
1. 研修の全体像と3つのゴール
研修は、教職員のセルフケア促進と心理的安全性の高い職場づくりを主軸に、以下の3つの明確なゴールを掲げて行われました。
ゴール1: 疲労や疲れのサインに自分で気づけるようになること。
ゴール2: いくつかのセルフケア手法の中から、自分に合ったものを1つ以上見つけること。
ゴール3: 個人のセルフマネジメントを、学校というチーム全体で活かすこと。
これらのゴール達成に向け、具体的な疲労サインの理解、休養の質の向上、そして職場でのコミュニケーション改善に焦点が当てられました。
2. 心理的安全性の再確認と実践
昨年度のテーマ「心理的安全性」を振り返り、ネガティブな情報や失敗を自然に共有できる職場の重要性が改めて強調されました。特に、「忙しそうだから」といった過度な気遣いが、かえって不信感や問題の長期化を招くリスクが指摘され、積極的なコミュニケーションの重要性が説かれました。
今年度は、この学びをさらに実践に移すため、以下のようなアクションが提案されました。
学年や校内で、困りごとや失敗、気づきを短時間で共有する場を定期的に設ける。
「働きやすい」と感じる要因を具体化し、良い実践を明文化して共有する。
3. 「休む」の再定義:AbsentからRestへ
ただ単に「学校にいない」だけの状態(Absent)では、本当の意味で休めているとは言えない可能性があります。研修では、心身を回復させるためのRest(休息)の重要性が強調され、その質を高めるための具体的な方法が提示されました。
アクティブリカバリー(積極的な休息): 散歩や趣味、軽い運動など、積極的に心身を動かしてリフレッシュする方法。
パッシブリカバリー(受動的な休息): 外部からの刺激(音や視覚情報)を徹底的にシャットダウンし、何もしない「一人時間」を確保する方法。
忙しい教職員には、特にパッシブリカバリーが推奨されました。校内に視覚刺激の少ない休憩スペースを設けるアイデアも提案されました。
4. 疲労サインの早期発見と対処
疲れのサインを見逃さないため、身体的および精神的なサインへの注意が喚起されました。
身体的サイン: 頭痛、肩こり、腰痛、足の重さなどに加え、無月経のような重大なサインに気づき、放置しないことの重要性が説かれました。
精神的サイン: 日々のイライラやミスの増加、子どもへの苛立ちなどがサインであると認識し、これらが出た際には休息や相談を検討することが推奨されました。
特に、女性は我慢する傾向が強いため、サインを見過ごしやすい点に注意が必要とのことです。
5. セルフケアの実践と「休みの質」向上
リラックスは貯金できるという考え方(リラックス貯金)が紹介され、夏休みのような長期休暇だけでなく、日常的な短時間でもマインドフルネス瞑想などを取り入れることが勧められました。
マインドフルネス: 就寝前の5分間瞑想や、皿洗い・食事といった日常の動作に意識を集中させる瞑想方法が紹介されました。
運動: 10分〜15分の軽い運動でも、ストレスを下げ、幸福感を高める効果があることが示されました。
さらに、土日も仕事がある状況でも**「今日は休みだから」と心の中でリフレーミングし、仕事後にはご褒美行動を設定する**という認知的な工夫も共有されました。
6. 感情の見える化と相談の重要性
感情の負荷を軽減するために、書くこと(ジャーナリング、エクスプレッシブライティング)や話すこと(カタルシス)の有効性が提案されました。
ジャーナリング: その日一番嫌だった出来事や自分の感情、身体のサインを具体的に書き出すことで、自己理解を深める方法。
信頼できる人に話す: 助言や批判を求めず、ただ話を聞いてもらうための「共感」を重視した対話の重要性が強調されました。
研修の最後に1分間の瞑想を体験しました。
終始笑顔の絶えない研修となり、町田さんには感謝しかありません。いつもありがとうございます。