教頭会 副教育長挨拶 その2
- 公開日
- 2024/12/16
- 更新日
- 2024/12/16
教育長・副教育長・部長 あいさつ
□次に、「言葉の大切さ」についてのお話をします。
これは、先日友人から教えてもらったお話です。
ハンバーガーショップで列に並んでいました。
一番前の男性が怒鳴り声になりました。
「何しとんねん。
トロイんじゃ、お前! もうエエわ!!」
と怒りをあらわにし、商品が入った紙袋を奪い取るようにして店を出ていきました。
バイトの子は、
「申し訳ありませんでした。すみませんでした」と何度も頭を下げていました。
一瞬にして店内の空気が刺々(とげとげ)しくなりました。
2番目に並んでいた70歳位のおじいちゃんに、バイトの子は、無理やり作った笑顔で、
「いらっしゃいませ」と接客しました。
おじいちゃんは静かな声で言いました。
「おねぇちゃん、エライなぁ。
あんなこと言われて、あんたの心はズタズタのはずや。
にもかかわらず、わしに笑顔で接客してくれた。
あんたの笑顔を見て、孫を思い出した。
これから孫に連絡を取ろうと思う。
ありがとう。
あ、コーヒー一杯。」
その言葉を聞いた途端、堰をきったように、バイトの子の目から涙が溢れ出しました。
ワンワン声を上げて、泣きだしました。
しばらく涙が止まらなかった。
刺々しかった店の雰囲気が、一瞬にして和らいだのです。
友人から、この話を聞いて、グッと胸が熱くなりました。
おじいちゃんのやさしいひと言で、彼女は救われました。
思いやりの一言で、明日への勇気が生まれます。
日々何気なく過ぎていく毎日の中に、心に残る小さな物語があるのだと教えて頂きました。
あらためて、言葉はとても大切だと感じています。
それは、人を生かすも、殺すも言葉次第だからです。
そして、言葉には、自分や人の人生をも変える力をもっています。それ故、特に、子どもに多大な影響を与える職種である教師は、言葉を大切にしなければなりません。
ちなみに、私たちの喉には喉仏(のどぼとけ)があります。
昔から、喉仏は故人の魂や精神が宿る場所であり、そこには仏様がいると信じられ、尊ばれていました。
陰口を叩いても、嘘をついても、自分自身の喉仏に宿る仏さまを騙すことはできません。
「まず隗より始めよ」とはうまくいったもので、私たちが教員や子どもたちの見本となれるよう、あのおじいちゃんのように、人を思いやる やさしさに満ちた、あんなひと言が自然に発せられるようになりたいものだと思っています。
これが今年最後のメッセージです。
2学期も、あと2週間となりました。
寒い日が続きますが、教頭先生方に置かれましては、学期末の校務処理や教職員の服務管理など何かと大変かと思いますが、健康には十分ご留意され、また年末年始は心身ともにリフレッシュされるなど、よいお年をお迎えくださること、心から祈念しています。